無題

今日も雨だ。私には友達が少ない。今日も1人で帰る。私には友達が少ない。毎日学校では1人でいる。私には友達が少ない。いつからだっただろうか。私のことを無視する人達がいると知ったのは。私が何をしたのかはわからない。何をしたのだろう。君の誘いを断った?君のお願いを断った?でもきっとどれも私を馬鹿にして生まれた誘い、願いだ。私は悪くない。私は先生に呼び出された。

「嫌がらせを受けているのか?辛い時はいつでも話を聞く。たまには大人を頼ってもいいんだぞ。」

と、言われた。私は何も不自由をしていない。私には友達が少ない。先生は何を思ってその言葉を私には言ったのだろう、投げかけたのだろう、吐き捨てたのだろう。ああ、大人は心で話したりしないんだ。そう思った。私たちは、ああ、私には友達なんていないけれど少なくとも私は、きっと子供達、(ここでいう子供は私たち、私は友達は少ない。)は、魂を削って生きていると思う。いじめから逃げる、いじめを実行する。気を使って発言する。容赦ない言葉を吐き捨てる。そうか、本心から放つ言葉、それだけが魂を削るんじゃないんだ。私は今まさに、今

 

                                      いま

                                  

             イマ

そう思った。自分を守ること、それこそが魂を削るんだと。いじめている人たちもいじめられている人たちも。そして、その周りのいついじめられてもおかしくない人達も。魂を削って自分を守る。こんな世界壊れればいい。ああ、そうだ。みんな知らないかもしれないけれど、私には友達が少ない。昨日も見たな。コンビニの前でたむろするうちの生徒。私はお母さんの迎えを待ってたから暇つぶしに見ていたんだけど、あれは古市君?だっけ、あの子が無理やり万引きさせられてたと思う。そうそう、ドラマでよく見るあれ、ね。まあ、私にはどうでもいいの。私には友達が少ない。そうそう、このまえね、さきちゃんが私の家に遊びにきてくれたんだ。いいでしょ。私の友達。2人で色々な話ししたんだ。さきちゃんは好きな男の子が、いるんだって。私には話したことのある男の子なんてほとんどいないからそんな感情、芽生えたこと無いけど、さきちゃんは楽しそうに好きな男の子のこと話してて、なんだか、私まで幸せになっちゃった。どうにか結ばれてほしいなあ。その日はね、さきちゃん、うちで夜ご飯まで食べていったんだよ。いいでしょ。私には友達が少ない。

なんだか、最近さきちゃんの元気がない。なんでだろう、またお話し聞きたい。あなたの力になりたいの私。お話ししてスッキリすることあると思うの。私には友達が少ない。どうしたのかな、全然私と学校で話してくれないな。話しかける機会すら与えてくれない。どうしたんだろう?好きな人の話をして、私と話すのが恥ずかしくなっちゃったのかな?かわいいな、もう。

さきちゃん、今日一緒に帰ろ!」

 

 

「ごめん、あなたと話してたのって罰ゲームだから」

 

 

私には友達がいない。